尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石)とは?
尿路(おしっこの通り道)にできる石を尿路結石といいます。できる場所によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石といいます。結石は腎臓で作られますが、腎臓にあるうちはなにも症状がない場合が多いです。それが尿管に落ちてつまると激痛をおこします。激しい(一説には陣痛に次ぐ痛みといわれます)痛みは結石の位置により腰痛、背部痛、側腹部痛、下腹部痛と様々な部位が痛み、嘔気や血尿を伴うことも多いです。
尿路結石は30-60代の男性(男性は女性の2.5倍)に多いです。結石の成分は様々ですが80%以上がカルシウム結石で、ほかに尿酸結石、シスチン結石、リン酸アンモニウムマグネシウム結石があります。
尿路結石の治療
よく「結石を薬で溶かす。」といいますが、ほとんどの結石は薬では溶けません。結石が小さいときは尿管の蠕動運動を促進して結石を出しやすくする薬と痛みが出たときの痛み止めで対応します。痛みがないときは水分をしっかりとって、運動することが大切です。結石が大きい時や嵌頓(つまってしまった)している場合はESWL(対外衝撃波結石破砕術)やTUL(内視鏡を挿入してレーザー等で結石を破砕する手術)が必要になります。
また結石がつまって高熱がある場合は緊急処置の適応となる場合があります。
尿路結石の治療
- 1日2リットルを目標に水分を補給
- 尿路結石を予防するために大事なことのひとつは、水分をたくさんとって、おしっこの量を増やすことです。おしっこの量が多いほど尿が薄くなるため、結石をつくる物質も溶けやすくなり、おしっこと一緒に排泄されやすいからです。普通、1日の尿量は1.2リットルほどですが、尿路結石の予防には、尿量2リットルが理想的です。食事以外で水分を2リットル以上とるようにしましょう。お茶類でとる場合には、シュウ酸の多い玉露や紅茶は避け、番茶や麦茶、ほうじ茶といったシュウ酸の少ないものにしましょう。ウーロン茶にもシュウ酸を多く含む種類のものがあるので、大量に飲むのは避けたほうが無難です。
- カルシウム結石であっても、カルシウムは積極的に摂取を
- 尿路結石の約9割はカルシウムを含む結石なので、カルシウムの摂取は控えたほうがよいと思われがち。しかし、実際はその反対です。カルシウムをとると、腸の中でシュウ酸と結合し、便と一緒にシュウ酸を体外に出す働きをするので、結石予防に役立つのです。カルシウムは、乳製品、大豆製品、海藻類、小魚などのほか、春菊や小松菜やなどの野菜にもたくさん含まれていますので、1日600mg以上を目安に、いろいろな食品からとるようにしましょう。
- シュウ酸を多く含む食品をとりすぎない
- シュウ酸を多く含む食品には、ホウレンソウ、タケノコ、チョコレート、ココア、紅茶などがあります。これらをとりすぎると結石ができやすくなるので、とりすぎに注意しましょう。ホウレン草はゆでておひたしにすると、シュウ酸を半分程度に減らせます。
- シュウ酸の多い食品はカルシウムといっしょにとる
- シュウ酸を多く含む食品は、カルシウムと一緒にとるようにしましょう。カルシウムはシュウ酸が腸から吸収されるのを妨げ、尿中へのシュウ酸排泄量増加を防ぐ働きをします。